食物繊維は必要なのか??
世間一般に食物繊維は超重要だといわれています。
ほとんどの健康本を読んでも科学論文の根拠つきで食物繊維のメリットが示され、食物繊維の摂取が推奨されています。
いわく、腸の健康に必要不可欠で、食物繊維が不足すると便秘をするだけでなく腸内細菌が飢えてしまい、体に様々な害をなすと言われています。
食物繊維を取ることのメリット
この地球上で最も健康的だと言われている狩猟採集民は食物繊維をめちゃめちゃ食べています。
色々な民族で調査結果にばらつきはあるものの、およそ40g〜225gの食物繊維を一日で食べているといわれています。
それゆえ、食物繊維こそが最も健康的なサプリだと考える人もいます。
具体的には、食事の前に食物繊維サプリを飲むだけで、
食欲は減らしてくれるし、
血糖値も抑制してくれるし、
インスリンの抵抗性もアップして肥満を防ぐし、
カロリーの吸収もさまたげてくれるし、
とにかく良いことだらけ。
でも本当に食物繊維ってよいことだけなの?
一方で食物繊維こそが便秘や下痢などの腸の不調の原因となる!と主張する人たちもいます。
食物繊維で腸の不調(過敏性腸症候群など)になると主張する人たちは低FODMAP食を推奨しています。
fodmapとは
FODMAPという言葉は以下の頭文字となっています。
Fermentable Oligosaccharides→ 発酵性のオリゴ糖
Disaccharides→ 二糖類
Monosaccharides→ 単糖類
And
Polyols → ポリオール(糖アルコール)
これらのfodmapが小腸で吸収されないと、水分が大腸に流れ込み、下痢を発症する人もいます。
これらのfodmapが問題なく大腸まで届いた場合は、腸内細菌の働きで発酵してガスを発生させます。
このガスが、むくみ、便秘、膨満感、痛みや吐き気といった過敏性腸症候群の症状を引き起こして、腸を傷つけるとされています。
したがって、これらの症状がある場合には食物繊維を始めとするfodmapを含む食品を避けるべきことになります。
避けるべき食材など、詳しくは、日本低フォドマップ食推進会会長の宇野良治さんのブログ(宇野コラム)をチェックしてみてください。
あれ食うなこれ食えってめんどくせーな!と思う人は単純に糖質制限をすれば楽です。穀物を避けるだけでもfodmap摂取量は減ります。
一番いいのは肉ばっかり食べるcarnivore dietです。
carnivor diet実践者からの反論。食物繊維いらなくね?
肉食を推奨しているGeorgia Ede医師によると、食物繊維は人間の生活や健康に不可欠ではなく、毎日の食生活に食物繊維を加えても、健康問題を解決することはできないと主張しています。
それは、問題の根本的な解決とはなっていないからだと言います。
問題は精製炭水化物であるからこれを控えるべきだとしています。
食物繊維で確かに血糖値はちょっぴり下がるが、血糖値を爆上げするような加工食品を食うなということです。
Georgia Ede医師のツイッターより
Plants vs Animals: Bring It On! Plant foods all contain combination of soluble fiber (holds water, forms gelatinous blob in the gut, can be fermented by gut bacteria), and insoluble fiber (roughage), which even gut bacteria won’t eat. Follow me for daily slide share~ pic.twitter.com/6X8I4XCn7G
— Georgia Ede MD (@GeorgiaEdeMD) 2018年2月25日
意訳
植物性食品には、水溶性食物繊維と不溶性繊維がふくまれていて、水溶性食物繊維は水分を保持し、腸内にゼラチン状の塊を作り、腸内細菌によって発酵させることができる。
一方で不溶性食物繊維は腸内細菌すら食べない。
Plants vs Animals: Bring It On! Follow me for daily slide share~ pic.twitter.com/ZhbFyItXrN
— Georgia Ede MD (@GeorgiaEdeMD) 2018年2月27日
意訳
食物繊維は癌、便秘、および他の病気から腸を保護するか?
そんなことはありえない!
2007年のWorld Journal of Gastroenterologyで、Tan医師とSeow-Choen医師は食物繊維および腸の健康に関する過去35年間の医学研究のレビューを発表し、結腸直腸ポリープやがんに対する食物繊維の保護効果については証明されているとは言えないとしている。
食物繊維は、慢性的な便秘と過敏性腸症候群に有用であることも判明していない。
また、肛門周囲疾患の治療にも有用ではない。
「食物繊維神話は暴かれるべきで、真実を受け入れよう!」
Plants vs Animals: Bring It On! Zero fiber=zero% constipation/bloating/straining. High-fiber = 100% constipation/bloating/straining. For those with IBS-C, reducing or removing fiber from the diet can be a real game-changer. Follow me for daily slide share~ pic.twitter.com/4rtnUeOeh4
— Georgia Ede MD (@GeorgiaEdeMD) 2018年2月26日
意訳
実験結果発表〜!
食物繊維をゼロにすると、便秘、鼓脹、緊張は0%。起きない。
高繊維食だと100%便秘、膨満、緊張をもたらす。
IBS患者では食物繊維を減らすか、または取り除けば、マジでワンチャンあるよ。勝てるぜ!
実際にPONが食物繊維を減らしてみて
最近ではあらゆる健康本で食物繊維を礼賛していて、食物繊維の悪口なんて見かけたことがありませんでした。
完全に食物繊維翼賛体制。反論や疑問がないところに少し不気味さは感じていましたが。
そんななか、イヌリンという食物繊維が良いという情報を度々目にしたので試してみることに。
糖質制限では穀物を食べないので、食物繊維は不足しがちになります。
何らかの方法で補わなければと思っていたのでイヌリンをヨーグルトに溶かして食べるようにしました。
結果としては、PONにはマッチしなかったようです。お腹が暴れるだけで、余計便秘したり。どんな感じかというと、ギュルギュルお腹が鳴るし、ガスは出まくるわ、お腹パンパンに張るしいいことなかったです。
世間で言われている効果を感じることはできませんでした。
パッケージに書いてある注意書きに従って少しづつ量を増やし、大量に水分もとったにもかかわらずです。
アマゾンのレビューでも少数ですが、効果が見られないとするものも散見されました。
狩猟採集民の人たちは繊維を食べまくってると言われているが、彼らのお腹はどんな感じなんだろうか?毎日ガスをブーブー出しまくってても気にしてないとか?
そのタイミングで見つけたのがこのGeorgia Ede医師のブログ。
きっぱりと食物繊維いらね!って言い切っててすげーなーと、自分でも食物繊維を減らしてみることにチャレンジしてみました。
すると、便の状態や出る頻度は明らかに改善しました。
繊維質の野菜(根菜とか)も避けると見事にスルッと出てくれます。
食物繊維について必要説、不要説が真っ向から対立していて、それぞれに科学的な裏付けがあるのが興味深い。
ヒトの代謝やからだの作用はおそらく変数がたくさんある複雑系のようなもので、個人差が激しいのと考えることができるのかも。人の多様性は無限大ですからね。条件を揃えるのなんて事実上不可能でしょう。
食物繊維で症状が改善しない!って人はいっその事、繊維を全部カットしてみるのもいいかもしれない。
そして、どの程度の量を、どんなものを食べると症状が出るのかを探って、自分にあった繊維の量で料理を楽しんでください。